平成21年度 しが文化芸術学習支援センター運営委員会 事業計画
1 事業目的
子どもたちが、人間性や生きる力を育み、地域への誇りや愛着を感じる上で、地域の美しい自然や文化芸術・伝統等に触れる体験はとても大切です。滋賀県には全国的にも優れた文化施設が多数あり、また、文化を支える文化ボランティア活動も大変活発です。
県内の文化施設を教育現場に活かした「次世代文化芸術支援事業」は、地域の「文化力」を育む具体的な取り組みとして有効であり、この取り組みを通して文化活動を支える「人」が多く育ち、その力の総和が滋賀県の地域を元気にすることに繋がると捉えています。
こうした中、平成20年4月に、しが次世代文化芸術推進委員会(平成21年度以降はしが文化芸術学習支援センター運営委員会に改称)内に「しが文化芸術学習支援センター」(以下、「センター」という。)を設置しました。これは、県内の文化施設や芸術家といった文化芸術の提供者と、体験活動を希望する学校現場とを結び、文化芸術体験プログラムの開発や双方の交流をコーディネートすると共に、それを支える文化ボランティア育成の拠点とすることを目的としています。
また、センターはその事業として、以下の5つを柱として掲げています。
1、体験:連携授業
2、育成:文化ボランティア研修
3、発信:子ども文化芸術祭
4、研究:連携研究会
5、連携・協働:連携・協働事業
この5本の柱の下で事業を推進する中で、平成20年度には、連携授業の対象エリアの拡大や新たな体験プログラムの開発に取り組むと共に、センターの運営を積極的に支援する文化ボランティア、学校と文化施設等を結ぶコーディネーターの育成にも力を入れてきました。
その蓄積の上に、平成21年度には、これまでの活動をさらに発展・充実させ、感性豊かな文化の担い手の育成と、多様な人々と豊かに関わる力の育成を図っていくことを目指します。
また、これまでの実績を検証し、更なるステップの手がかりとしていきます。特に、平成21年10月に開催を予定している「しが子ども文化芸術祭」では、びわ湖ホールをはじめとする県内の文化施設との連携、学校現場・ボランティア、さらには民間団体・企業関係者・大学などとのネットワークの強化を図り、本物の文化芸術に触れることの大切さを広く県民に発信する機会としていきます。
2 事業方針
(1) 子どもたちをはじめ多くの県民に、心に響く魅力ある文化芸術に触れる体験プログラムを提供し、豊かな感性と創造性を育む。
(2) 子どもを中心に、世代を超えた人々が文化芸術交流を深めることで、優しさや思いやり、協力し合う心を育み、地域文化の学びの場とする。
(3)文化芸術に興味・関心のある青少年(大学生中心)を「文化ボランティア」として登録し、センターの活動支援に関わることで、次世代を担う人材を育成する。
(4)文化施設と連携した文化芸術体験プログラムを、カリキュラムの中に連携授業として位置づけて実施する。また、学校関係者とのネットワークを広げることで、継続的なプログラムへと発展させ、教育課程の中に位置づけ、学校づくりの一助とする。
【連携授業の関係者に期待される効果】
@ 「子どもたち」
授業という枠の中で、文化施設の持つ上質な文化芸術に触れ、感動の体験をすることで、豊かな心を育てる機会となり、生涯を通じて地域の文化・伝統・芸術を自己のものとする基盤を培うことが期待できる。
A 「学校関係者」
文化施設との連携によって、教育現場では準備できない専門的な教材や、専門家との出会いを通し、「本物の芸術・作品」「本物の芸術家」「本気で支える人」から、教員自身が文化・芸術について学ぶ機会を得ることができる。
また、地域の文化施設のノウハウ等を教育現場に有効活用し、毎年継続することで、地域の文化力の向上に繋がることが期待できる。
B 「文化施設関係者」
学校教育との連携によって、文化施設の持つ素材を教育的にどのように有効に活用できるかを、実践・検討を重ねることで、文化施設にとって貴重なプログラム開発・財産となり得る。
また、文化ホール、美術館・博物館などの文化施設が体験プログラムの提供者として、地域に積極的に入り込むことにより、文化施設の機能の拡大や新たな事業展開に繋がることが期待できる。
C 「地域のボランティア関係者」
文化施設関係者や学校関係者だけでなく、地域のボランティアが活動に参画し、時には様々な課題のある子どもに細やかに寄り添うサポートをすることで、心の面の支援ができる。また、地域住民にとっては、文化施設を身近に感じる機会にもなり、重要な地域の施設であることを認識し、応援する気持ちが育まれることが期待できる。
3 事業内容(しが文化芸術学習支援センター事業)
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@ 体験:連携授業(県内の文化施設を学校教育に活かす工夫) A 育成:文化ボランティア研修(住民参画における工夫) B 発信:子ども文化芸術祭 C 研究:連携研究会 D 連携・協働:連携・協働事業 |
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体験:連携授業(県内の文化施設を学校教育に活かす工夫)
「未来を担う文化の継承者である子どもたちの育成」をキーワードに、県内複数の文化施設と県内小・中・高・養護学校、地域ボランティアとの連携による文化芸術活動=「連携授業」を実施する。具体的には、地域の文化施設と学校など教育機関との連携、同じエリアでの文化施設・芸術家同士の連携を通して、それぞれの地域に合った連携の新しい形を創り出す。また、文化芸術体験プログラムの紹介や、連携授業から生まれた作品の展示や発表の場、鑑賞の場を設ける。
A
育成:文化ボランティア(住民参画における工夫)
「ボランティア養成・登録・派遣」
地域住民や、大学生を中心とした文化ボランティアを育成し、文化施設関係者、学校教育関係者、地域ボランティアの3者が協働して活動に参加する仕組みをつくる。
そのために、文化ボランティアの募集・登録・研修を行い、実施するプログラムに合わせて、適材適所に派遣できるよう細やかにコーディネートする。また、文化ボランティアの自主的な活動の企画・実施を支援する。
文化ボランティア・コーディネーター養成に力を入れる。文化庁文化ボランティア拠点形成事業では、滋賀県のコーディネーター養成の実践成果を、広く県内外に発信する。
B
発信:子ども文化芸術祭
実践した「連携授業」について、委員と共に検証を重ね、分野によっては外部の専門家も招聘し、その成果を実践事例集としてまとめることで、文化施設が重要な教育資源であることを広く県民に発信する。
「連携授業」の成果発表の場として、「子ども文化芸術祭」(子ども音楽祭、次世代をテーマとしたシンポジウム、子ども美術祭)を開催する。滋賀県の文化施設のシンボル的存在であるびわ湖ホールを会場としながら、県内複数の文化施設と協働することにより、滋賀県全体で取り組むという機運を高める。本年度は、10月17日(土)・18日(日)の2日間で、文化施設、企業、大学、学校と連携し、「環境と芸術」、「宇宙と芸術」というテーマを掲げ、今までにない企画を提案し、次世代への芸術支援の大切さ、楽しさを発信する機会とする。
また、大津市の中心市街地活性化の事業とも連携し、文化ホールを拠点とした町づくりとしても、新しい発信の機会とする。
県内各地で行われる子ども関連の催しを取りまとめ、インターネット等で発信する。
C 研究:連携研究会
○ 委員会の趣旨に賛同する関係者による連携研究会を開催する
(NPO,ボランティア,教師,文化施設関係者,県教育関係部局,県文化関係部局など)
○ 次世代の文化芸術体験を推進する仕組みや方策に係る検討・調査などを行う
○ 「学習」にこだわった体験プログラムの内容の検討および実践についての検証や情報交流を行う
○ 滋賀県の地域の伝統・文化・芸術を活かした、次世代文化芸術支援の具体的な
プロジェクトの企画・実施について意見交流を行う
○ この研究会を核に、学校関係者とのネットワークを広げ、地域の文化施設を活用した学習が、学校の個性・伝統へと発展する可能性を追究する
D
連携・協働:連携・協働事業
将来の自立的展開を展望しながら、地域社会の一員である企業や財団などの社会貢献活動との連携を深めると共に、幅広いネットワークを構築して、センターの財的・人的基盤の強化を図る。
具体的な取り組みとしては、ア〜エを展開する。
ア (財)滋賀県文化振興事業団(しが県民芸術創造館、文化産業交流会館、
希望が丘文化公園)の次世代体験プログラム支援事業との連携・協働
イ びわ湖ホール、琵琶湖博物館、陶芸の森、近代美術館、MIHO MUSEUMなど
県内文化施設との連携・協働
ウ 滋賀県教育委員会の事業「教師塾」、「しが学校支援センター」との連携・協働
エ NPO、大学、企業等との連携・協働
